外国人を日本で雇う

すでに周知のことではありますが、毎年、我が国における15歳から64歳のいわゆる「生産年齢人口」は、過去最低を更新しております。

今後、生産年齢人口が増える兆しがあるかと言いますと、少子化はさらに進行し、15歳未満の人口も過去最低を更新中であり、生産年齢人口が増えることは当面ありません。

働き手不足が今後も恒常的に続く、と言いますか、ますます深刻化します。

政府は、1億総活躍社会の号令をかけて、高齢者、女性もGDPに貢献するように促しておりますが、遅々として進みません。

AIの活用も将来的には働き手不足解消に効果があるかもしれませんが、そのIT・AI分野のソフト・アプリ・システム開発にすら働き手が足りてません。

他方、お気づきかもしれませんが、周囲を見渡すと、外国人材・外国人労働者を上手く雇用・育成・定着・戦力化して、勢いよく会社の業績を伸ばしている会社・企業がどんどん生まれています。

よく考えれば、一定のスキルを備えた人手を 十分な数だけ備えることが、現在では、競争優位性を保つ条件となってきております。

外国人活用の時代です。

各社、

「仕事はあるのに人がいなくて受けられない」

という状況を抜け出して、新時代の競争に生き残るために、外国人雇用を重要課題として取り組んでおります。

外国人を雇用するに際し必要なことは?

1 社内の人事労務システムを分かりやすく整える

外国人であっても、我が国の労働基準法、労働安全衛生法等の労働法や健康保険法、厚生年金保険法等の社会保険関係法が適用されますので、

「ホッとした。それなら何も特別な配慮は必要ない。」

と思われるかもしれません。

しかし、そうではありません。

日本以外の外国では、たとえ、中国やタイ等のアジアの国であっても、労務提供により得られる対価(給与・報酬)とキャリア(パス)に非常に敏感です。

何を達成したら何が得られるのか、ということを分かりやすく明示しなければなりません。

「なんだ面倒だな。やはり日本人の方がいいな。」

と思われますか?

一概にそうとも言えません。

日本人従業員の場合には、労務提供・仕事に、対価・昇進以外の様々な家族感・安定感・ノンストレス等を絡ませるので、逆に、会社・企業側もいろいろなものを準備・提供しなければならないですが、外国人従業員は、

「3万円稼いだら1万円渡す。」

「10個仕上げたら5万払う。」

「100件こなしたら昇進させる。」

と約束して、それを必ず実行するのであれば、目的に向かって努力・工夫を惜しまないという性質があります(特に、後進国・発展途上国の場合)。

日本人にはなじまない感覚です。

「お金で追い立てられるように仕事したくない」

「仕事もプライベートもほどほどにバランスをとりたい」

という多くの日本人従業員とは異なる特性です。

そして、多くの日本人従業員だけの企業・会社では、まだまだ、「信頼関係」の名のもとに、文書化されない労働慣行で仕事をしている場合が多いですが、一旦、こじれると、こちらも言った言わない、約束したしていないの、つまらないトラブルを誘発しております。

 外国人労働者は、日本人より、“働く対価としての賃金”に非常にこだわりがあります。給与水準、給与から控除される労働保険・社会保険等の意味等の疑問に対して、分かりやすく丁寧に説明することが労働者のモチベーション維持に重要なキーとなっています。また、将来、海外子会社等の幹部として活用することを予定して採用した外国人労働者の場合、日本と現地の賃金 水準が大きく異なることがあり、現地の処遇に変更すると、トラブルなることがあります。現地帰任(赴任)後は賃金体系が変わり得ることを採用時に説明して おく必要があります。